
血液内科診療
血液内科診療
血液は、体内のさまざまな機能を支える重要な役割を担っています。健康診断や日常の血液検査で異常を指摘された場合、それが一時的な変化なのか、治療が必要な病気のサインなのかを見極めることが大切です。
当院では、血液の異常を精査し、必要に応じて専門的な診断や治療をご提案しています。
・健診で「白血球が多い」「ヘモグロビンが低い(貧血)」「血小板が少ない」などの異常を指摘された方
・ 首や脇のしこりが続く・痛みがない場合(リンパの異常)
・腰痛が長引く(血液の病気が隠れている可能性も)
このような症状がある場合、一度血液の専門診療を受けることをおすすめします。
白血球・赤血球・血小板の異常を指摘された場合、次のような病気が隠れていることがあります。
1.貧血(ヘモグロビンが低い)
・鉄分やビタミン不足による貧血
・再生不良性貧血、骨髄異形成症候群などの血液疾患
・貧血に加え腰痛がある場合、多発性骨髄腫の可能性も
2.白血球が多い/少ない
・感染症や炎症
・白血病などの血液疾患の可能性
3.血小板が多い/少ない
・感染や炎症
・出血しやすくなる病気(血小板減少症など)
・骨髄の異常が原因のことも
4.赤血球/ヘモグロビンが多い
・慢性的な酸素不足
・真性多血症などの血液疾患の可能性
・腫瘍(腫瘍による赤血球を増やすホルモンの産生異常)
5.首のしこりが長引く・痛みがない
・悪性リンパ腫などの血液疾患の可能性も
血液の病気は、早期に発見して適切な対応をすることで、治療の選択肢が広がります。
当院では、必要な検査を行い、専門的な治療が必要な場合は適切な連携病院へご紹介いたします。
血液検査で異常を指摘された方や、気になる症状がある方は、お気軽にご相談ください。
・貧血(ヘモグロビン低値)
・白血球高値
・白血球低値
・血小板高値
・血小板低値
・赤血球高値(ヘモグロビン高値)
について、それぞれの状態に関する詳細な解説を以下に記載しております。
2024年度 |
2023年度 |
|
白血球高値 | 集計中 | 21 |
白血球低値 | 11 | |
赤血球高値 | 10 | |
貧血 | 33 | |
血小板高値 | 12 | |
血小板低値 | 5 | |
合計 |
|
92(人) |
・記載の診療実績は、初診患者数を基に集計しています。
・複数の症状がある場合は、主症状に基づき分類しています。
東京慈恵会医科大学附属柏病院
東京慈恵会医科大学附属病院
国立がん研究センター東病院
新松戸中央総合病院
松戸市立総合医療センター
筑波大学附属病院
貧血とは、体の中のヘモグロビン(血液中の酸素を運ぶ成分)が少なくなった状態のことです。目安として、男性は13 g/dL未満、女性は12 g/dL未満の場合に貧血と診断されます。
貧血になると、次のような症状が現れることがあります。
・立ちくらみ
・息切れ
・めまい
・ふらつき
貧血にはいくつかの原因があります。
貧血の症状が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。
鉄はヘモグロビンの主要成分であり、不足すると貧血の原因になります。鉄を多く含む食品には、赤身肉、魚、貝類、豆類、葉物野菜などがあります。これらをバランスよく摂取することで、鉄の吸収を促し貧血予防につながります。
ビタミンB12は赤血球の生成に不可欠で、主に動物性食品に含まれています。肉、魚、卵、乳製品を適切に摂取することで、ビタミンB12不足を防ぐことができます。
・鉄とビタミンCの組み合わせ
鉄を多く含む食品(赤身肉、豆類など)と、ビタミンCが豊富な食品(オレンジ、トマト、ブロッコリーなど)を一緒に摂ると、鉄の吸収が高まります。
・多様な食品の摂取
鉄やビタミンB12だけでなく、ビタミンA、葉酸、ビタミンB6なども赤血球の形成に重要です。野菜、果物、穀物、肉、魚、乳製品など、バランスよく食べましょう。
・鉄の吸収を妨げる食品に注意
コーヒー、紅茶、カルシウムサプリメントは鉄の吸収を妨げる可能性があります。鉄を摂る際は、これらの食品との摂取タイミングを工夫しましょう。
・慢性疾患による貧血
慢性炎症性疾患(例:関節リウマチ、炎症性腸疾患)、腎臓病、癌などは、体内の鉄の利用や赤血球の生産を妨げ、貧血を引き起こすことがあります。
・遺伝性貧血症
遺伝的な異常による赤血球の生成障害も貧血の原因となります。代表的な疾患には鎌状赤血球症や遺伝性球状赤血球症があります。
・血液疾患
再生不良性貧血や白血病など、骨髄の異常によって貧血が引き起こされることがあります。
貧血は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
白血球は、体を感染症や異物から守る免疫細胞です。
成人の正常な白血球数は、1μLあたり4,000〜10,000個程度とされています。
この範囲を超えた場合、異常が疑われます。
白血球数が増えても、それ自体では目立った症状はありません。
白血球数が低いだけでは、特に目立った症状はありません。
① 血液検査を行う
異常の原因を詳しく調べるため、追加の血液検査を実施します。
② 骨髄検査(必要な場合)
さらに詳しく調べるために、骨髄に針を刺して「骨髄液」を採取し、顕微鏡で観察する検査を行うことがあります。
③ 治療方法
白血球数の異常の原因に応じて、以下の治療が行われます。
・薬剤が原因の場合 → 原因となる薬を中止します。
・感染症が原因の場合 → 抗生物質を使用します。
・ウイルス感染が原因の場合 → 抗ウイルス薬を使用します。
・白血病など血液のがんが原因の場合 → 抗がん剤治療を実施します。
白血球数の異常は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
血小板は、血を止める働きをする血液細胞です。通常、血小板の数は 1μL あたり 15万~45万個 です。この範囲を超えると「血小板数の異常」となり、大きく 増加 と 減少 に分けられます。
・ほとんどは無症状です。
・頭痛、めまい、耳鳴り などが起こることもあります。
・あざができやすい
・手足に点状出血がみられる
・鼻血が出やすい
・月経量が多い など
①検査
・まず血液検査を行います。
・さらに詳しく調べる場合は「骨髄検査」や「遺伝子検査」を実施します。
②治療(原因によって異なります)
・薬の副作用 → 服薬を中止
・感染症 → 抗生物質や抗ウイルス薬
・白血病など → 抗がん剤など使用して治療します。
血小板数の異常は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
血液は、私たちの体に必要な酸素や栄養を運ぶ大切な役割をしています。その血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった成分が含まれています。
多血症とは、この血液の中で、特に赤血球の数が異常に増えてしまう病気のことです。
例えるなら、血液がドロドロになって、流れにくくなるようなイメージです。
赤血球が増えすぎると、血液の粘り気が強くなります。これは、血管の中を血液がスムーズに流れにくくなるということです。
その結果、以下のような様々な症状やリスクを引き起こす可能性があります。
・頭痛やめまい: 脳への血流が悪くなることで起こることがあります。
・息切れや動悸: 血液が酸素を十分に運べなくなることがあります。
・疲れやすい: 全身への酸素供給が不足することがあります。
・顔や皮膚が赤くなる: 赤血球が増えることで、見た目に変化が現れることがあります。
・かゆみ: 特に温かいお風呂に入った後などにかゆみが出ることがあります。
・血栓症のリスク上昇: 血液が固まりやすくなり、血管が詰まる危険性が高まります(脳梗塞、心筋梗塞など)。
ただし、これらの症状は多血症の程度や原因によって異なり、全く症状がない方もいらっしゃいます。
多血症には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。
1. 真性多血症
血液を作る工場である骨髄の異常によって、赤血球が過剰に作られてしまう病気です。
原因はまだはっきりとわかっていませんが、遺伝子の変異が関わっていると考えられています。
白血球や血小板も増えることがあります。比較的まれな病気です。
2. 二次性多血症
他の病気や状態が原因で、結果的に赤血球が増えてしまうものです。
①慢性的な酸素不足
・肺の病気(慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)
・高地での生活
・睡眠時無呼吸症候群
②喫煙
タバコの煙に含まれる一酸化炭素が、血液の酸素運搬能力を低下させるため、体が酸素不足を補おうとして赤血球を増やします。
③腫瘍
まれに、エリスロポエチンを過剰に分泌する腫瘍がある場合があります。
④その他
利尿薬の長期使用など、脱水によって血液が濃縮されることで、見かけ上赤血球が増えることもあります。
多血症の診断には、主に以下の検査が行われます。
・血液検査: 赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などを測定します。
・身体診察: 顔色や皮膚の状態などを確認します。
・骨髄検査: 必要に応じて、骨髄の細胞を採取して調べることで、真性多血症かどうかなどを診断します。
・画像検査(胸部レントゲン、CTなど): 肺や心臓の状態、腫瘍の有無などを調べることがあります。
・エリスロポエチン測定: 血液中のエリスロポエチンの量を測定します。
治療法は、多血症の種類や原因、症状の程度によって異なります。
1. 真性多血症の場合
・瀉血(しゃけつ): 血液を定期的に抜き取ることで、赤血球の数を減らします。
・薬物療法: 赤血球の産生を抑える薬(抗がん剤など)を使用することがあります。
・血栓予防: 血栓ができやすい状態のため、抗血小板薬(アスピリンなど)を使用することがあります。
2. 二次性多血症の場合
・原因となっている病気の治療
酸素不足が原因であれば呼吸器系の病気の治療、腎臓の病気が原因であれば腎臓病の治療を行います。
・禁煙
喫煙が原因の場合は、禁煙が最も重要です。
・瀉血
症状が強い場合には、一時的に瀉血を行うことがあります。
・水分補給
血液がドロドロにならないように、こまめに水分を摂るように心がけましょう。
・禁煙
喫煙は多血症を悪化させる大きな原因の一つです。必ず禁煙しましょう。
・適度な運動
医師と相談しながら、無理のない範囲で適度な運動を行いましょう。
お電話(04-7154-2300)またはWEBで予約可能です。
土曜日の午後に血液内科受診希望の場合には16時15分までの予約枠に予約して下さい。