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血液内科診療

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貧血(ヘモグロビン低値)について

貧血の症状と原因

貧血とは?

貧血とは、体の中のヘモグロビン(血液中の酸素を運ぶ成分)が少なくなった状態のことです。目安として、男性は13 g/dL未満、女性は12 g/dL未満の場合に貧血と診断されます。

貧血の主な症状

貧血になると、次のような症状が現れることがあります。

・立ちくらみ
・息切れ
・めまい
・ふらつき

貧血の主な原因

貧血にはいくつかの原因があります。

  1. 鉄分不足(鉄欠乏性貧血)
    →鉄は赤血球を作るために必要な栄養素です。食事からの鉄の摂取が少なかったり、体が鉄をうまく吸収できなかったりすると、貧血になります。

  2. ビタミンB12不足(ビタミンB12欠乏性貧血)
    →ビタミンB12は赤血球を作るために重要な栄養素です。食事で十分に取れていなかったり、胃や腸の働きが悪くて吸収されにくいと、貧血が起こります。

  3. 出血による貧血
    →ケガや胃腸の病気、月経が多いことなどが原因で出血が続くと、赤血球が減って貧血になることがあります。

貧血の症状が気になる場合は、早めに医師に相談しましょう。

貧血と食事の関係

鉄欠乏性貧血と食事

鉄はヘモグロビンの主要成分であり、不足すると貧血の原因になります。鉄を多く含む食品には、赤身肉、魚、貝類、豆類、葉物野菜などがあります。これらをバランスよく摂取することで、鉄の吸収を促し貧血予防につながります。

ビタミンB12欠乏性貧血と食事

ビタミンB12は赤血球の生成に不可欠で、主に動物性食品に含まれています。肉、魚、卵、乳製品を適切に摂取することで、ビタミンB12不足を防ぐことができます。

貧血予防のための食事のポイント

・鉄とビタミンCの組み合わせ
 鉄を多く含む食品(赤身肉、豆類など)と、ビタミンCが豊富な食品(オレンジ、トマト、ブロッコリーなど)を一緒に摂ると、鉄の吸収が高まります。

・多様な食品の摂取
 鉄やビタミンB12だけでなく、ビタミンA、葉酸、ビタミンB6なども赤血球の形成に重要です。野菜、果物、穀物、肉、魚、乳製品など、バランスよく食べましょう。

・鉄の吸収を妨げる食品に注意
 コーヒー、紅茶、カルシウムサプリメントは鉄の吸収を妨げる可能性があります。鉄を摂る際は、これらの食品との摂取タイミングを工夫しましょう。

貧血に関連する病気と注意点

貧血が関連するその他の病気

・慢性疾患による貧血
 慢性炎症性疾患(例:関節リウマチ、炎症性腸疾患)、腎臓病、癌などは、体内の鉄の利用や赤血球の生産を妨げ、貧血を引き起こすことがあります。

・遺伝性貧血症
 遺伝的な異常による赤血球の生成障害も貧血の原因となります。代表的な疾患には鎌状赤血球症や遺伝性球状赤血球症があります。

・血液疾患
 再生不良性貧血や白血病など、骨髄の異常によって貧血が引き起こされることがあります。

健康診断で異常を指摘されたら

貧血は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

白血球の数値異常(多い/少ない)について

白血球とは?

白血球は、体を感染症や異物から守る免疫細胞です。
成人の正常な白血球数は、1μLあたり4,000〜10,000個程度とされています。
この範囲を超えた場合、異常が疑われます。

白血球数が増加する場合

主な原因

  1. 喫煙
    →1日2箱の喫煙で、白血球数が約20%増加します。

  2. 感染症(細菌感染)
    細菌に感染すると、一時的に白血球が増えます。

  3. 炎症
    膠原病や慢性肝炎などの慢性的な炎症があると、炎症性物質の影響で白血球が上昇します。

  4. ストレス
    強いストレスを受けると、血管にくっついていた白血球が血液中に移動し、白血球数が増加します。

  5. 薬剤
    ステロイドホルモンの使用により、白血球数が軽度上昇することがあります。

症状

白血球数が増えても、それ自体では目立った症状はありません。

白血球数が減少する場合

主な原因

  1. 薬の副作用
    →不整脈の薬、胃薬、甲状腺の薬、抗がん剤などには、白血球を減らす作用があります。

  2. 放射線療法や抗がん剤治療
    血液細胞の産生が低下し、白血球が減少します。
  3. ウイルス感染(HIVなど)
    ウイルスによってリンパ球が破壊され、白血球が減少することがあります。

  4. 骨髄の異常
    白血病、再生不良性貧血、骨髄異形成症候群などでは、骨髄での白血球産生が低下します。

症状

白血球数が低いだけでは、特に目立った症状はありません。

白血球数の異常が見つかった場合の検査と治療

① 血液検査を行う
異常の原因を詳しく調べるため、追加の血液検査を実施します。

② 骨髄検査(必要な場合)
さらに詳しく調べるために骨髄検査が必要と判断される場合は、当院では実施せず、適切な専門医療機関へご紹介いたします。

③ 治療方法
白血球数の異常の原因に応じて、以下の治療が行われます。

・薬剤が原因の場合 → 原因となる薬を中止します。

・感染症が原因の場合 → 抗生物質を使用します。

・ウイルス感染が原因の場合 → 抗ウイルス薬を使用します。

・白血病など血液のがんが原因の場合 → 抗がん剤治療が必要なため、専門施設へご紹介のうえ治療を進めます。

健康診断で異常を指摘されたら

白血球数の異常は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

血小板の数値異常(多い/少ない)について

血小板とは?

血小板は、血を止める働きをする血液細胞です。通常、血小板の数は 1μL あたり 15万~45万個 です。この範囲を超えると「血小板数の異常」となり、大きく 増加減少 に分けられます。

血小板数が増加する場合

主な原因

  1. 炎症や感染症
    → 体の炎症反応が活発になり、血小板の産生が増えます。
  2. 出血
    → 体が出血を止めようとして、一時的に血小板が増えます。。
  3. 鉄欠乏性貧血
    → 鉄不足により、赤血球を増やすホルモン(エリスロポエチン)が分泌され、血小板も増えます。
  4. 悪性腫瘍(がん)
    → がん細胞が炎症性物質(インターロイキン6)を分泌し、血小板が増えます。
  5. 骨髄の異常
    → 遺伝子変異により血小板が異常に増殖する病気(本態性血小板血症など)で増えます。

症状

・ほとんどは無症状です。
・頭痛、めまい、耳鳴り などが起こることもあります。

 

血小板数が減少する場合

主な原因

  1. 検査上の誤差(偽性血小板減少)
    → 血小板がくっついてしまい、実際より少なく計測されることがあります。
  2. 免疫異常(ITP:特発性血小板減少性紫斑病)
    → 免疫系が誤って自分の血小板を攻撃します。
  3. 感染症
    → ウイルス(EBウイルス、サイトメガロウイルス)やリケッチア感染症により血小板が減ります。
  4. 薬の副作用
    → ヘパリン、ST合剤、カルバマゼピン、バンコマイシンなどが原因になることがあります。
  5. 骨髄の異常
    → 再生不良性貧血や白血病では、血小板を作る能力が低下します。

症状

・あざができやすい
・手足に点状出血がみられる
・鼻血が出やすい
・月経量が多い など

血小板数の異常が見つかった場合の検査と治療

①検査
・まず血液検査を行います。
・さらに詳しく調べる必要がある場合、骨髄検査や遺伝子検査については専門医療機関へご紹介しています。

②治療(原因によって異なります)
・薬の副作用 → 服薬を中止

・感染症 → 抗生物質や抗ウイルス薬

・白血病など → 抗がん剤治療が必要な場合は専門施設での治療となります。

健康診断で異常を指摘されたら

血小板数の異常は、健康に影響を及ぼす可能性があります。
健康診断などで異常を指摘された場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

 

多血(赤血球高値、ヘモグロビン高値)について

血液は、私たちの体に必要な酸素や栄養を運ぶ大切な役割をしています。その血液の中には、赤血球、白血球、血小板といった成分が含まれています。
多血症とは、この血液の中で、特に赤血球の数が異常に増えてしまう病気のことです。
例えるなら、血液がドロドロになって、流れにくくなるようなイメージです。

なぜ赤血球が増えると良くないの?

赤血球が増えすぎると、血液の粘り気が強くなります。これは、血管の中を血液がスムーズに流れにくくなるということです。
その結果、以下のような様々な症状やリスクを引き起こす可能性があります。

・頭痛やめまい: 脳への血流が悪くなることで起こることがあります。

・息切れや動悸: 血液が酸素を十分に運べなくなることがあります。

・疲れやすい: 全身への酸素供給が不足することがあります。

・顔や皮膚が赤くなる: 赤血球が増えることで、見た目に変化が現れることがあります。

・かゆみ: 特に温かいお風呂に入った後などにかゆみが出ることがあります。

・血栓症のリスク上昇: 血液が固まりやすくなり、血管が詰まる危険性が高まります(脳梗塞、心筋梗塞など)。

ただし、これらの症状は多血症の程度や原因によって異なり、全く症状がない方もいらっしゃいます。

多血症の原因は?

多血症には、大きく分けて以下の2つのタイプがあります。

1. 真性多血症
 血液を作る工場である骨髄の異常によって、赤血球が過剰に作られてしまう病気です。
 原因はまだはっきりとわかっていませんが、遺伝子の変異が関わっていると考えられています。
 白血球や血小板も増えることがあります。比較的まれな病気です。

2. 二次性多血症
他の病気や状態が原因で、結果的に赤血球が増えてしまうものです。

①慢性的な酸素不足 
 ・肺の病気(慢性閉塞性肺疾患(COPD)など)
 ・高地での生活
 ・睡眠時無呼吸症候群

②喫煙
 タバコの煙に含まれる一酸化炭素が、血液の酸素運搬能力を低下させるため、体が酸素不足を補おうとして赤血球を増やします。

③腫瘍
 まれに、エリスロポエチンを過剰に分泌する腫瘍がある場合があります。

④その他
 利尿薬の長期使用など、脱水によって血液が濃縮されることで、見かけ上赤血球が増えることもあります。

どのように診断するの?

多血症の診断には、主に以下の検査が行われます。

・血液検査: 赤血球数、ヘモグロビン濃度、ヘマトクリット値などを測定します。
・身体診察: 顔色や皮膚の状態などを確認します。
・骨髄検査: 骨髄検査が必要と判断される場合は、当院では実施していないため、適切な専門医療機関へご紹介します。
・画像検査(胸部レントゲン、CTなど): 肺や心臓の状態、腫瘍の有無などを調べることがあります。
・エリスロポエチン測定: 血液中のエリスロポエチンの量を測定します。

どのように治療するの?

治療法は、多血症の種類や原因、症状の程度によって異なります。

1. 真性多血症の場合
・瀉血(しゃけつ): 血液を定期的に抜き取ることで、赤血球の数を減らします。
・薬物療法: 赤血球の産生を抑える薬(抗がん剤など)を使用することがあります。
血栓予防: 血栓ができやすい状態のため、抗血小板薬(アスピリンなど)を使用することがあります。

2. 二次性多血症の場合
・原因となっている病気の治療
 酸素不足が原因であれば呼吸器系の病気の治療、腎臓の病気が原因であれば腎臓病の治療を行います。

・禁煙
 喫煙が原因の場合は、禁煙が最も重要です。

・瀉血
 症状が強い場合には、一時的に瀉血を行うことがあります。

日常生活で気をつけることは?

・水分補給
 血液がドロドロにならないように、こまめに水分を摂るように心がけましょう。

・禁煙
 喫煙は多血症を悪化させる大きな原因の一つです。必ず禁煙しましょう。

・適度な運動
 医師と相談しながら、無理のない範囲で適度な運動を行いましょう。